画家名 菱川 師宣
Moronobu Hishikawa
様式・流派 浮世絵師
活躍国 日本
生年 ?
千葉県安房
没年 1694
江戸
紹介  寛文年間(1661−73)江戸に出、插絵本の分野に登場、寛永期(1624−44)以来の上方(かみがた)肉筆風俗画の伝統に立脚して独自の美人風俗画様式を作りあげ、木版摺の量産性を生かし“菱川やうの吾妻俤”と俳句に詠まれるほど普及させ、浮世絵派を確立。絵本、插絵本の墨摺插絵にその作品が多いが、それを一枚絵に独立させて以後の浮世絵版画の出発点となった。やまと絵師を自称し、庶民生活を描きながら、やまと絵の伝統の継承者を自負した。肉筆では『北楼及び演劇図巻』『見返り美人図』(ともに東京国立博物館)など、一枚絵の版画では、12枚揃の墨摺『吉原の躰(たい)』などがある。絵本、插絵本は150種以上といわれ、『伽羅枕』(1661−73頃)のような好色本が多いほか、『江戸雀』(1677)のような名所案内記、金平本、仮名草子など各種にわたる。子に師房、門人に古山師重らがいるが、師宣の死とともに菱川派は衰えた。

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